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  ATM  
Asynchronous Transfer Mode

 セルと呼ばれる固定長のフレームを転送する通信方式で、非同期転送モードと訳されている。電話網やISDN網など、一般的な回線交換で採用されている同期転送モード(STM)と異なり、ATMでは転送するデータがあるときだけセルを送信するので、「非同期」と言われる。

 ATMはもともとデータ、音声、動画などのさまざまな情報を1つのネットワークで扱えるようにするため開発されたWAN向けの通信技術で、ITU-TやATM Forumで開発・標準化が行なわれた。

 ATMのレイヤは、大きく物理層、ATM層、AAL(ATM Adaptati

on Layer)の3つに分かれる。物理層では光ファイバや同軸ケーブル上での信号伝送機能が規定される。ATM層ではセルのフォーマットが規定されている。ATMの転送単位であるセルは、5バイトのヘッダ+48バイトのユーザー情報(ペイロード)という53バイトで構成されている。ヘッダには送信先を示す識別子(VPI:仮想パス識別子、VCI:仮想チャネル識別子)が含まれており、この値を元にルーティングを行なうことになる。AALは上位プロトコルからの伝送フレームをセル化したり、元のフレームに戻したり、といった作業を行なう層にあたる。

 WANでの利用をみると、米国では1994年から商用の通信サービスがスタートし、日本でも1995年にはNTTが「スーパーリレーCR」のサービスが開始されている。そしてNTTが掲げる次世代B-

ISDNでも、ATM技術をベースに伝送速度の高速化と公衆通信回線の統合化が実現されることになっている。

 一方、1990年代の前半にはすでにATM技術をLANに適用したATM-LANの開発が進んでおり、ATM-LAN Forumによって最大伝送速度25MbpsのATM-LANが標準化されている。また、ATM-LANでは仮想的にEthernetと同じサービスを提供する「LANE(LANエミュレーション)」という機能も持っている。こうしたATM-LANの製品化は1992年からスタートしているが、膨大な仕様の標準化に時間がかかりすぎたことや安価なEthernetが急速に普及したことで、本格的な移行には至っていない。

 このようにATMは、WANでは普及を続けているものの、LANではギガビットEthernetやFDDIなどに水を空けられている状態と言える。現在、注目されているのは、爆発的に浸透したIPとの親和性を強化することである。IETFでは、ATMネットワーク上でIPプロトコルを扱う「IP over ATM」が開発されている。また、ATM Forumでも昨年ワーキンググループを作り、64KBまでの拡張可能な可変長セルを扱える「FAST」(Framed ATM over SONET Transport)などの仕様策定を行なっている。

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